線状降水帯予測とは?いつ発表?マイタイムラインとは?
意識改革!線状降水帯の危険性
最近日本の気候も温暖化の影響なのか相当変わってきました。
その中でも最近ニュースなどで「異常気象」や「○○年に1度の…」や「観測史上初」というキーワードをよく耳にするようになりましたね。
確かに最近は想定を超える災害があちらこちらで目立ってきました。
その中で当サイトでもいろいろな気象関係の情報を皆様にシェアしてきました。
そして今回は最近かなり重要となる気象の情報として「線状降水帯」と「ハザードマップ」について、私なりの解説と深掘りをして記事にしたいと思います。
この記事をきっかけに気象災害の再認識、意識改革をして皆様の安心できる生活の役に立てればと思っています。
線状降水帯とは?
線状降水帯とは積乱雲が次から次へと発生し、同じ場所に大雨を降らす事をいいます。
これにより局地的に集中して「バケツをひっくり返した」ような雨が降り続いてしまいます。
その結果従来の貯水率を超えた雨量が山を削り土砂崩れや、河川の氾濫などの水害を起こします。
■線状降水帯のメカニズム
①低層を中心に大量の暖かく湿った空気の流入が持続
②局地的な前線や地形などの影響で空気が持ち上がり雲が発生
③大気の状態が不安定で湿潤な中で積乱雲が発達
④上空の風の影響で積乱雲や積乱雲群が線状に並ぶ
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。
出典:気象庁
昔はこのような言葉など聞いた事も無かったのですが、近年では頻繁に聞くようになりましたね。
これからの日本は気象情報は命に係わるので大事
この線状降水帯は厄介でなかなか事前予測も難しいと言われていて、なかなか避難勧告や警報など発信するタイミングが出来ないと言われています。
それでもなるべく情報はいち早く欲しい所です。
そこで国や自治体でも最近伝えられている「ハザードマップ」についてもお伝えしていきます。
このハザードマップを活用すれば自分の住んでる所がどんな危険な場所なのかを把握して、避難するタイミングの判断の一つにする事で災害から身を守る事も大事です。
気象庁発表の線状降水帯予測とは?いつ発表?
2022年6月1日(水)から気象庁は積乱雲が発達し続々とその地域に大雨を降らせ水害などの災害をもたらす「線状降水帯」について、予測が難しいがその地域に「線状降水帯」の危険が予測できる場合は【半日から6時間前までに線状降水帯の予測】を発表するとしました。
全国11の地域にわけて「関東甲信」や「九州北部」などの地域で危険性がある場合に“線状降水帯が発生する可能性がある”という形で知らせるとの事です。
■顕著な大雨に関する気象情報の発表基準
1.解析雨量(5kmメッシュ)において前3時間積算降水量が100mm以上の分1.布域の面積が500km2以上
2. 1.の形状が線状(長軸・短軸比2.5以上)
3. 1.の領域内の前3時間積算降水量最大値が150mm以上
4. 1.の領域内の土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)において土砂災害警戒情報の基準を実況で超過(かつ大雨特別警報の土壌雨量指数基準値への到達割合8割以上)又は洪水キキクル(洪水警報の危険度分布)において警報基準を大きく超過した基準を実況で超過
2022年7月15日(金)全国初の線状降水帯の半日前予測情報を発表
気象庁は線状降水帯による大雨の予測にて【九州北部】と【九州南部】に線状降水帯の半日前予測情報を初めて発表しました。
九州北部地方では、15日夜から16日午前中にかけて、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性があります。土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒してください。
九州北部地方に停滞している前線が、16日にかけて九州南部まで南下する見込みです。このため前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、九州北部地方では大気の状態が非常に不安定となっています。
九州北部地方では、16日明け方にかけて局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となるおそれがあります。また、落雷や竜巻などの激しい突風のおそれもあります。線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。
出典:気象庁
線状降水帯の予測を開始してから1年が過ぎ
気象庁の大林正典長官は2023年7月19日に開かれた定例の記者会見にて
線状降水帯の予測、特に半日前からの可能性についてはまだまだ技術が未成熟で、事前の呼びかけができない場合もある。大雨などの警報や土砂災害警戒情報などのほか、自治体からの避難情報に留意して避難行動をとっていただきたい
■2023年7月22日のNHKのニュースから
気象庁が「線状降水帯」を予測できず3分の2を見逃していたことが分かりました。
出典:NHK
気象庁は予測は非常に難しいとしたうえで情報が出ていなくても安心せず、ほかの防災情報も活用して早めの対応につなげてほしいとしています。
やはり予測は難しいですが、少しでも危険な懸念がある場合は空振りでも良いのでお知らせしてくれるだけでも避難する材料になりますからね。
引き続き制度を上げて予測して欲しいと思います。
ハザードマップとは
日本の災害に対する情報をまとめた国土交通省のポータルサイトになります。
国土交通省では、防災に役立つ様々なリスク情報や全国の市町村が作成したハザードマップを、より便利により簡単に活用できるようにするため、ハザードマップポータルサイトを公開中。
出典:国土交通省 PDF
この「ハザードマップ」を見る事で自分の住んでる所をチェックする事で、家の危険度や避難経路や避難のタイミングを計るが重要です。
このハザードマップを活用して普段から防災の意識を高めて、家族と情報を共有しておきましょう。
ハザードマップの見方や操作方法はこちらの公式の方で簡単にまとめられています。
「避難勧告等に関するガイドライン」改定「避難情報に関するガイドライン」
内閣府は2021年5月20日より「避難勧告等に関するガイドライン」を名称を含め改定し、上記のように「避難情報に関するガイドライン」を公表しました。
警戒レベル4「避難指示で必ず避難」で、避難勧告は廃止です。
これにより新しい情報として防災の意識をアップデートして再確認していきましょう。
災害対策キキクルとは?
キキクルとは気象庁が近年の各地での大雨による災害の発生危険度をリアルタイムでマップで確認できる「危険度分布」アプリになります。
こちらも参考に危険なエリアなど確認しておくと良いと思います。
災害対策マイタイムラインとは?
早めの自分にあった避難計画が大事!
警戒レベル5という重み
最近の異常気象により、昔では考えられない自然災害が、各地で起こるようになりました。
そして避難という概念も昔とはまったく違うものになりました。
気象庁が発表する警戒レベルも2020年(平成31年)の3月に改定されてニュースにもなりました。
今までの警戒レベルを5段階に明記して、よりわかりやすく、直感的に早めの避難をできるようにしました。
「警戒レベル5」
災害がすでに発生していることを示す警戒レベル5に相当します。
出典:気象庁
何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況となっています。
命を守るための最善の行動をとってください。
上記にように、昔とは全然違うほどの警戒をしないといけない「警戒レベル5」という重い言葉が出る時代になりましたね。
そこで今注目されてるのが、事前避難になります。
その事前避難に対してちゃんとした計画をわかりやすくするのが、今回紹介する「マイタイムライン」になり、今回私なりの解説と深掘りをして記事にしたいと思います。
避難勧告のレベル変化
「避難勧告等に関するガイドライン」(内閣府(防災担当))が平成31年3月に改定され、住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示され、この方針に沿って自治体や気象庁等から発表される防災情報を用いて住民がとるべき行動を直感的に理解しやすくなるよう、5段階の警戒レベルを明記して防災情報が提供されることとなりました。
出典:気象庁
上記のように避難勧告も変わり、災害への意識改革は自分でもしないといけません。
今と昔では避難の仕方や考え方は切り離して、今の時代にあった避難の仕方を考える必要があります。
自治体にばかり頼るのではなく、自分の命は自分で守る事も大事になり、そして明るい内に早めの避難をする事が命を守る行動になります。
水害・土砂災害が昔と違うと再認識する事が大事と避難は十人十色という考え
一言で避難と言っても、人それぞれ年齢・居住場所・家族構成・持病・災害レベル・災害の種類など、避難の仕方や避難場所などがあります。
例えば20代一人暮らしの避難と80代一人暮らしの避難では、避難するタイミングや避難行動も全然違ってきますよね。
なので避難を計画する上で、自分にあった「避難の計画を立てる」事が必要になります。
マイタイムラインとは?
今回のこの記事の本題の「マイタイムライン」のお話になります。
そしてわかりやすく今回紹介できるマイタイムラインは「東京マイ・タイムライン」です。
上記の警戒レベルに応じて、赤で線で囲ってあるように、「警戒レベル3ならこの行動」と一目でわかるようにしておくと、いざ警報が発令された時でも迷わずすぐ行動に移せます。
そして大事なのは家族との共有や、自分に合ったマイタイムラインを作る事ですね。
上記の家族の例のように身内に足腰の弱い高齢者がいるなら、警戒レベル2の時はにはこの時点で安全な所に避難させるなどの工夫が必要です。
そして避難する場所も、自治体の指定場所以外にも、親戚や友達や知り合いの安全な所も視野に入れて確保するようにしておきましょう。
身の回りの災害を知り防災へとつなげていきましょう。
毎年のように線状降水帯による顕著な大雨が発生し、数多くの甚大な災害が生じています。
この線状降水帯による大雨が、災害発生の危険度の高まりにつながるものとして社会に浸透しつつあり、線状降水帯による大雨が発生している場合は、危機感を高めるためにそれを知らせてほしいという要望があります。
発生メカニズムに未解明な点も多く、今後も継続的な研究が必要不可欠です。
出典:気象庁
これからはこの梅雨時期や台風の時期はこの「線状降水帯」の情報も注意していかないといけませんね。
自分の周りの情報を集め、災害が起こる前、起こった時でもすぐ行動できるようにしておきたいですね。
けして他人事とは思わず、明日は我が身の事として危機感を持つ事が重要になります。
自衛隊防災BOOK [ 自衛隊/防衛省 ]
地震・台風・土砂災害・洪水から家族を自分で守る防災完全マニュアル [ 河野 太郎 ]
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